COLUMN 物流自動化に関するお役立ちコラム
製品が製造されてから消費者の手に届くまでの間に必ず行われる重要な工程の1つとして検品があります。製造工程の自動化が進む中で、検品作業についても自動化が求められています。近年では、これまで自動化が難しいとされていた検品作業を機械が自動で行うケースが増加しています。
検品の自動化は急速に進みつつありますが、なぜ物流業界において検品の自動化が必要とされているのでしょうか。その背景には、物流業界が抱える次のような課題があります。
昨今、多くの製造業・物流業の企業が人手不足に直面しており、「2030年問題」・「技能を指導する人材の不足」の兆候が非常に顕著となっています。少子高齢化が進み、人口減少社会に突入した日本では、現在約7,000万人いる労働人口が2030年には約6,300万人にまで減少する(約10%の減少率)と予測されています。
また、2030年問題は労働人口の減少だけにとどまらず、これまでの製造業や運輸業は、労働人口の大半を成年男性が占めていましたが、今後はその割合が減少し、女性やシルバー層、外国人などの割合が増加すると考えられます。
そのような中、検品作業の実施には、人員の確保や作業時間といったリソースが必要です。人的ミスによるリスクを減らすために2人体制でチェックを行うなど、精度の高い検品をめざす場合はさらなる人件費がかかります。
また、習熟していないスタッフが作業を行う場合も、知識や経験不足が要因で商品を探すための時間を要し、さらに人的ミスの発生も考えられます。取り扱う品数が増えるほど業務が複雑化し、より多くの時間がかかる点も課題です。
あらゆる製品の複雑化とともに品質基準が高まっており、使用する部品の精度や管理水準の向上が求められています。また、インターネットの普及やコロナ禍を背景にEC市場が拡大し、物流の現場では多様な種類の製品を扱うようになりました。インターネットでの売買において消費者からの返品は物流業の負荷を増大させるため、そういった面でも品質管理の重要性は高くなっています。
物流業は比較的DXが進んでいる業種とされていますが、実際は大手企業と中小企業の間にDXの格差が大きく存在しています。
特に中小企業は大手の導入したシステムに合わせて導入しなければならず、独自のビジネスモデルを創出するのは難しい状況です。
これにより物流業のDXの格差、新たなビジネスモデルの創出までを含めた本来のDXが実現されていないという課題が生じています。
省力化とは、「作業負担の削減」を指します。 例えば、検品作業にロボットを導入し自動化することで、作業者にかかる手間を減らし、作業にかかる時間を従来比で60%削減できます。
次に、省人化とは、作業を省力化すると同時に、1つの作業に必要な作業者の人数も減らすことを指します。
単純に人件費を削減するだけではなく、省力化によって手が空く人を他の工程や、人の思考を使う創造的な活動にまわすことも可能です。
検品作業において人の手や目によって行う以上、ヒューマンエラーの発生は避けることができません。また、感覚的な判断が求められるような検査では、検査者や時間、体調によっても誤差が生じることも考えられます。
検品が自動化されると、これらの人に依存することで起きていたミスや誤差がなくなり、再現性が高まります。作業方法も毎回必ず同じ方法で行われるため、作業の標準化も同時に達成されトレーサビリティの向上にも繋がります。
検品作業を自動化することで、品質安定やリードタイムの短縮が達成されれば、検品を人によって行っている企業に対しサービスの差別化を図ることができます。これは荷主が物流業者を選定する上でも判断材料となり、営業上の効果も期待できます。
検品自動化は、さまざまな技術の進歩によって実現しています。検品を自動化するためのツールとして、RFIDゲートとカメラを用いた自動検品方式についてご紹介します。
上記のようなヒューマンエラーの発生や作業量増加による負担増といった課題を解消するには、RFIDを活用した検品作業の効率化が効果的です。
RFID(Radio Frequency Identificationの略)は、RFIDタグを読み取る機器、読み書きする情報媒体を含めた総称です。
RFIDの大きな特徴として、距離や障害物、汚れがあっても複数の荷物を一括で読み取りができることが挙げられます。デメリットとして、一般的には金属や水分、ノイズの影響を受けやすいという注意点もありますが、それぞれに強いRFIDも一部登場しています。
カメラを用いた自動検品方式は、運ばれてくる荷物を読取専用カメラで撮影し、タグ(QRやバーコード)を読み取り、内容や数量などの情報確認が可能です。
RFIDの弱点である金属、水分、ノイズには影響されず、検品することができます。
しかし、タグの汚れや印字不良、タグが荷物の底に貼られているなどの場合、物理的に読み取りができない点がデメリットとして挙げられます。
これまで検品の業務は自動化が難しいとされてきた工程で、検品業務には人を配置しなければなりませんでした。しかし、デジタルテクノロジーの進化によって検品業務の中でも特定の作業は自動化が可能になってきています。各社ではデジタルテクノロジーを活用し検品作業の効率化を実現する動きがありますが、実際に自社に適したシステムを導入検討するには時間と手間がかかります。
LOGITOでは、検品業務の効率化を実現するために、国内外問わずさまざまなメーカーと連携し、最適なご提案が可能です。
RFIDゲートやコンベア、カメラといったハード面だけではなく、チップやタグに付与すべき情報の提供や課題解決に向けてワンストップでコーディネートいたします。
以下の資料では、検品作業を改善するための具体的なソリューションをご紹介していますので、ご関心のある方はぜひご覧ください。
LOGITO(ロジト)は第一実業株式会社が提供する物流自動化ソリューションです
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