COLUMN

AGV・AMRの工場での活用方法とは?工程間搬送を実現するまでの導入課題と注意すべきポイントを解説

AGV・AMRの工場での活用方法とは?工程間搬送を実現するまでの導入課題と注意すべきポイントを解説

物流現場で活用されることの多いAGV・AMRですが、製造業の工場への導入も注目されています。各工程間の搬送を自動化することで、生産性向上や作業員の負荷軽減などさまざまな効果が期待できます。本記事では、工場におけるAGV・AMRに求められる要件や導入のメリット、導入する際の注意点などについてご紹介します。





目次


製造業の工場でも注目されているAGV・AMR

物流業界では、構内物流の省人化を実現するAGV(Automatic Guided Vehicle:無人搬送車)とAMR(Autonomous Mobile Robot:自律走行搬送ロボット)の導入が注目を集めています。
製造業の工場においても、各工程間でさまざまな部品や資材、仕掛品が行き交っており、人手に頼った搬送では効率の低下を招くことから、AGV・AMRによる工程間搬送の自動化が普及しつつあります。
物流業界同様、製造業界でも人手不足は大きな課題であり、省人化・生産性向上を実現するAGVの導入ニーズは非常に高まっていると言えるでしょう。

構内物流省人化を実現するAGV・AMRの基礎知識については、以下で解説しています。ぜひご覧ください。

5分でわかるAGV(無人搬送車)とは?AMRとの違い・走行方式・搬送方法・導入メリットをまとめて解説


物流現場と工場内でのAGV・AMR活用方法の違い

物流現場と工場内でのAGV・AMR活用方法の違い

物流現場と製造現場では、AGVやAMRの活用方法にどのような違いがあるのでしょうか。

まず前提として、工場にも物流工程はあり、主に材料や部品の入庫と完成品の出荷業務においては共通している部分があります。
大きな違いとして挙げられるのは、生産や組み立てなど製造工程間における搬送工程の有無です。工場では、前の工程から受け取った仕掛品を加工し、次の工程に渡す際に搬送工程が生じます。一方で、物流現場では製造を行わないため、こうした工程間の搬送はありません。そのため、製造現場の工場では、材料・仕掛品・完成品など、多種多様なモノが工程を横断して複雑に搬送されております。搬送に時間がかかってしまうことで、材料や部品が準備されていないため生産を一時的に止めなくてはいけなく、製造ライン全体の生産性を低下させてしまうリスクがあります。

こうした背景からも、工場の製造ラインの生産性を高めるため、材料供給・生産・組み立てなどに、AGVの導入が注目されております。
以下では、製造工場におけるAGV・AMRの導入メリットや求められる要件について解説します。

工場でAGV・AMRを導入する3つのメリット

工場でAGV・AMRを導入する3つのメリット

工場でAGV・AMRを導入することには以下3つのメリットがあります。

部品供給の遅延を削減

生産ラインにおける作業はペースが定められていますが、部品供給が遅延すると生産ペースが乱れてしまいます。人による搬送で部品を供給している場合、運び間違いといったヒューマンエラーを完全になくすことはできず、作業者の熟練度によってペースが変わってしまうことも考えられます。 AGV・AMRを導入すれば一定のペースでミスなく搬送できるため、作業者や製造装置のスピードに部品供給が追い付かなくなる事態を避けることが可能です。

搬送工程における身体的負荷の低減

作業者が運搬のために歩き回ったり、重い台車などを動かしたりする必要がなくなるため、作業者の負担を大幅に軽減可能です。また、人手により搬送していると、疲労が蓄積し事故が発生するリスクが高まりますが、AGV・AMRを導入し搬送工程を自動化することで安全性向上にも寄与します。

人材の有効活用

AGV・AMRにより部品供給や完成品の搬送工程を自動化することで、搬送に関わる人数を削減できます。工場の主業務は生産活動になるため、搬送業務に携わっていたスタッフをより生産的な業務や人手の足りていない生産ラインに従事させるなど、人材の有効活用につながります。

求められる構内物流の自動化 チェックシート付きAGV導入ガイドブック

工場におけるAGV・AMRに求められる3つの要件

工場におけるAGV・AMRに求められる3つの要件

工場におけるAGV・AMRに求められる要件としては、以下3つがあります。

多品種・小ロットの搬送が可能

1つ目は多品種・小ロットの搬送が可能であることです。 工場における部品や材料などの在庫管理を効率化するためには、「必要な物を、必要なとき、必要な数量だけ」供給・納入するJIT(just in time)方式に対応する必要があります。JITを実現するためには、小回りの利く小ロットでの搬送が可能なAGV・AMRが求められます。

変種変量生産への対応

2つ目は、変種変量生産に対応できることです。 変種変量生産は特定の品種を製造するのではなく、時と場合に応じて1つの生産ラインでさまざまな部品を生産する方式です。品種だけでなく生産量も一定ではないため、搬送物の種類・数量の変化に柔軟に対応し、タイムリーに搬送することが不可欠となります。

生産スピードに合わせライン渋滞を避ける

3つ目は、生産スピードに合わせライン渋滞を避けられることです。 工場の生産ラインは、設備の故障・材料供給の遅延が発生する可能性があるため、必ずしも理論上可能な生産スピード(稼働率)を常に実現できるわけではありません。生産スピードの変化により作業と搬送のタイミングがずれると、ライン渋滞が発生してしまいます。それを避けるため、搬送タイミングを臨機応変に調節できるようなAGV・AMRが求められます。

工場でAGV・AMRを導入する際の注意点

AGV・AMRを導入する際には、まず実績事例・ユースケースを見て工程の自動化に関するイメージをつかむことが重要です。そして人手不足解消や稼働率向上などの目的と効果、予算を明確化したうえで費用対効果の試算をしていきます。
また、自動化に関するスキル・知見を持った実務担当者を選任・確保する必要もあります。
なお、新たな設備を導入する場合、既存の設備や生産ラインを大幅に変更しなければならないケースもありますが、AGVは既存のレイアウトに合わせて最適な移動経路を設計できるため、大幅な変更は不要になります。
AGV導入をはじめとする物流自動化の注意点については、以下資料で解説しています。

物流の自動化に失敗しないための導入前ガイドブック


LOGITOはAGV・AMRの導入をトータルサポート

第一実業が提供する物流自動化ソリューションサービスの「LOGITO」では、お客様の工場内の現状のヒアリングから分析・コンサルティングを行い、シミュレーションによる最適な設備や台数をご提案します。
AGV・AMR導入に際しては、現場調査を行い運ぶ荷物や路面の状況、経路上にある動かせない設備など、AGV・AMRの導入可否をチェックし、調査内容を踏まえ、AGV・AMR本体の能力・導入台数・経路設定などの導入設計を行います。導入からアフターサポートまで一貫して対応を行うため、運用面でも安心です。

以下資料では、AGV・AMRの導入・選定のポイントや導入の流れなどについて解説していますので、ご関心のある方はぜひご覧ください。

求められる構内物流の自動化 チェックシート付きAGV導入ガイドブック
LOGITO 運営事務局

LOGITO 運営事務局

LOGITO 運営事務局では、全世界17カ国34拠点のグローバルネットワークにて培ったノウハウを生かし、物流自動化に関するトレンド・業界動向からノウハウ、成功事例まで、物流自動化の実践に役立つ様々な情報をお届けします。

CONTACT

LOGITO(ロジト)は第一実業株式会社が提供する物流自動化ソリューションです

フォームからのお問い合わせの場合、土日祝日を除き、お問い合わせいただいてから1日以内に当方よりご連絡させていただきます。
ご連絡先の入力をお間違いないようお気をつけ下さい。

ページの
先頭へ戻る