物流自動化を実現するソリューションの1つとしてAGF(無人搬送フォークリフト)があり、物流現場の安全性向上や省人化・効率化を実現するため近年必要性が高まっています。本記事では、AGF(無人搬送フォークリフト)について知りたい方に向けて、導入メリットや導入の際の課題などを解説します。
AGF(無人搬送フォークリフト)とは
AGFとは、Automated Guided Forkliftの略で、無人搬送フォークリフトとも言い換えられることがあります。システムによる制御やレーダーにより周囲の検知することで、無人で搬送を実現するフォークリフトのことです。用途としては、荷積み・荷下ろし・入出荷・保管・工程間搬送など、パレットやラックを無人で搬送・格納し、作業の自動化を実現します。
AGF(無人搬送フォークリフト)とAGV(無人搬送ロボット)の違い
AGF(無人フォークリフト)はAGV(無人搬送ロボット)の一種であり、
フォークリフトの形態以外のものをAGV(無人搬送ロボット)と総称されております。AGV(無人搬送ロボット)も、人に代わってモノを自動で搬送するロボットのことを指しており、モノを上に載せて牽引したりする牽引型AGVや、棚やパレットの下に入り搬送する低床型AGVなど、様々なタイプがあります。いずれも無人化や物流の自動化を実現する機器として活用されています。
AGV(無人搬送ロボット)の詳細については以下記事で解説しています。ご興味のある方はぜひご覧ください。
AGF(無人搬送フォークリフト)の導入が求められる理由
フォークリフトによる事故のリスク
従来のフォークリフトは人が操作するため、操作ミスや周囲の確認不足による事故のリスクが常に付きまといます。厚生労働省の労働災害統計によれば、2021年の製造業における死傷者数は28,605人であり、全業種の約2割を占めます。また、運輸業(交通運輸業・陸上貨物運送事業・港湾運送業)における死傷者数は20,112人と製造業と同等の死傷災害が行っていることがわかります。
このように製造業と運輸業は労働災害のリスクが高く、安全性の確保は喫緊の課題です。
AGV(無人フォークリフト)のような自動化を実現する機器を活用することで、人の介入する作業を減らし、安全性を高められます。出典:
厚生労働省「令和3年 労働詐害統計確定値」フォークリフトを運転できる作業員がいない
また、製造業や物流業界では人手不足が深刻化しております。その影響で、フォークリフトを運転できる作業員を確保することが難しく、多くの会社で求人を出しているのが現状です。また、フォークリフトが運転できる作業員に仕事が偏ることで、長時間労働による疲労が蓄積し事故のリスクがより高まる可能性もあります。そのため、AGF(無人フォークリフト)による自動化・無人化の必要性は一層高まっていると言えます。
AGF(無人搬送フォークリフト)の導入メリット
フォークリフトによる事故防止につながる
フォークリフトで持ち上げた荷物の落下やフォークリフトで運搬中による接触事故など、フォークリフトによる事故は多いと言われております。AGF(無人フォークリフト)を導入することで、人が行う作業はロボットが行うため、人身事故のリスクを低減することに期待ができます。
人が集まりづらい夜間も稼働可能
人が集まりづらい夜間シフトでも、少人数での稼働を実現します。無人フォークリフトはシステムやプログラムにより、走行やリフト操作などが行われるため、24時間稼働が可能になります。また、AGV・AMRとの連携次第では、フォークリフト以外の工程間搬送も自動化することもできます。
コスト削減につながる
AGF(無人搬送フォークリフト)の導入は、コスト削減にもつながります。前述のとおり、24時間稼働を実現させることで、従来よりも人件費の削減による生産性の向上も見込めると言えます。
また、人件費の削減を実現させることで、従業員の教育コストなどの副次的なコストも削減させることができるため、AGF(無人搬送フォークリフト)で作業を自動化させることは、さまざまなコストカットが期待できるといえるでしょう。
スペースの有効活用
例えば、荷物を搬送する設備としてコンベアを導入した場合、設置スペースが固定されるだけでなく、相応のスペースを確保しなければなりません。
一方で、AGF(無人搬送フォークリフト)なら設置スペースの固定が必要なく、現場のレイアウトも最適化できるためスペースを有効活用ができます。
AGF(無人搬送フォークリフト)の原理や仕組み
AGF(無人搬送フォークリフト)は、主に以下の原理・仕組みにより稼働します。
レーザー方式による位置の認識
AGF(無人搬送フォークリフト)本体に取り付けられたレーザーを照射する機器と、周囲に設置した反射板(反射ポール)により位置を推定し、高度な自律移動を実現する方式です。
3Dカメラセンサーによる周囲の検知
3Dカメラセンサーを搭載することで、360°全方位の障害物を検知し、パレットの位置や姿勢を正確かつ自律的に認識することができます。また、ピックアップステーションが空かどうかを判断することも可能です。
AGV・AMRとの連携
AGV(無人搬送車)には床に設置した磁気テープに沿って動くタイプや、QRコードで決められたルートを走行するタイプがあります。AMR(自律走行搬送ロボット)もAGVと同じく無人で荷物を搬送するロボットですが、搭載されたセンサーで自己位置を推定することで自律走行が可能です。
これらAGV・AMRとAGF(無人搬送フォークリフト)を連携することで、更なる物流の自動化を実現します。
ソフトウェアによる一括管理
ソフトウェアを用いて複数のAGF(無人搬送フォークリフト)を一括管理する方式もあります。これにより、多くのAGF(無人搬送フォークリフト)が同時に稼働していても、お互いの位置を把握し、ぶつからないように稼働することが可能です。
AGF(無人搬送フォークリフト)導入でよくある課題・注意点
AGF(無人搬送フォークリフト)導入でよくある課題として、所定の場所に適切にモノが置かれていない「
パレットの位置ずれ」があげられます。
フォークリフトの運用においては、パレットのフォークポケットにフォーク(爪)を入れる必要がありますが、その際には上下左右ともに数cmほどの誤差しか許容されません。そのため、AGF(無人搬送フォークリフト)の運用・稼働には高い精度が求められます。
LOGITOのAGF(無人搬送フォークリフト)をご紹介
LOGITOでは、上記の課題を解消するAGF(無人搬送フォークリフト)を取り扱っています。
LOGITOの扱うAGF(無人搬送フォークリフト)は、
360°レーザーを搭載し高精度な自律走行が可能です。自動化を促進するとともに、音と光のアラームと組み合わせたマルチセンサーや緊急停止スイッチにより、安全で信頼性の高い動作が可能となり、これにより人的操作によるフォークリフト輸送の潜在的な危険性を低減できます。
以下資料では、AGF(無人搬送フォークリフト)をはじめとする物流の自動化に失敗しないためのポイントを解説していますので、ご関心の方はぜひご覧ください。
LOGITO 運営事務局
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