
人が行う作業の多い物流現場では業務の担当者依存という大きな課題があります。特に、ピッキング作業は担当者によって作業スピードのバラつきが発生しやすく、誰でも簡単に作業できるようなシステムを導入することが必要です。そこで、本記事では、物流現場における担当者依存のリスクや、そうした依存状態を解消するデジタルピッキングシステムについてご紹介します。
物流現場の担当者依存のリスク
業務の内容やルールなどを特定の担当者しか把握しておらず、社内や現場で共有できていない状態を「担当者依存」と言います。
「属人化」とも呼ばれる担当者依存ですが、担当者の不在、もしくは急な異動・退職時に業務が滞ることや、担当者しか把握していない決まりごとや進め方により、他の従業員が作業できない、作業スピードが落ちてしまう、またはミスが発生してしまうなど、多くのリスクが潜んでいます。
担当者依存はさまざまな業種・業界で発生しますが、物流業界は他の分野と比較して、人が行う作業が特に多く残っているため、担当者依存が起こりやすくなっています。
2030年問題もリスクに
2030年に日本に生じる社会的問題を総称した言葉として「2030年問題」があります。人口が減少し、超高齢化社会に突入しつつある日本では、現在約7,000万人いる労働人口が、2030年には約6,300万人にまで減少すると予測されているため、労働力不足に陥るリスクがあります。
そのため、企業は現段階から、人に依存しない現場改善の施策を進めなければなりません。
このように労働人口が減少する中で、企業はこれまで以上に女性や高齢者、外国人の労働力を活用する必要性も強まっています。女性や高齢者を多く雇用する場合、今まで成年男性の力に頼ってきた物流現場の仕事を、テクノロジーの力によって省力化していく必要があります。
また、日本人に比べ、日本語での意思疎通が難しい外国人の従業員でも作業がしやすくなるような工夫も必要です。こうした環境を整えていくためにも、担当者依存を解消し、誰でも簡単に作業ができるようにする必要があります。
担当者依存が発生しやすいピッキング作業
物流現場で担当者依存が発生しやすいのはピッキング作業で、
仮置き場所やリストのチェック方法など、さまざまな属人的ルールが発生しがちです。
以下では、ピッキング作業でよく見られる、属人化によるリスクを紹介します。
商品探しに時間がかかる
ピッキング作業を属人的に行う場合、商品探しに時間が多くかかります。商品場所の把握度合いは、作業者の勤続年数に比例するため、人によって作業時間が変動するという担当者依存が発生します。また、在庫情報の管理ができていない場合には、一部担当者しか商品の場所を把握していないなどの問題もよくあります。
ミスが生じる(ヒューマンエラー)
目視で都度確認するため、ピッキングすべき商品の種類や数量を間違えるというミスが発生するリスクがあります。その理由の一つが、ピッキングリストが見づらいという問題です。品番・数量・ロケーションの情報がある場合も、ムダな情報が盛り込まれていることがあるなど、ピッキングリストが複雑化していることにより、一部担当者しか理解できない、ピッキングする商品を間違えるなどの問題が発生します。
上記のようにピッキング作業では、作業の工程や商品の置き場所など覚えなければならないことが多く、担当者依存が生じやすいがために、多くのリスクが発生しています。また、担当者依存を続けることで、そのリスクがより大きくなるという側面もあり、担当者依存脱却が急務となっています。
デジタルピッキングシステムを導入して担当者依存を改善

上記のようなピッキング作業をはじめとする物流現場の担当者依存を解消するためには、人の手や目視による確認などの工程を減らす必要があります。そこで役立つのがデジタルピッキングシステムです。
デジタルピッキングシステムの導入
デジタルピッキングシステムとは、表示器から発せられる指示に従って商品をピッキングする作業支援システムのことです。
一般的なリスト方式では、作業者が出荷指示リストを持参し1つひとつの商品を確認しますが、デジタルピッキングシステムなら商品の指示・数量をデジタル表示してくれるため、作業スピードの大幅な向上が期待できます。
また、ピッキングリストの見間違いを防止でき、多品種少量の現場でも簡単に作業ができます。
そのため、経験年数に関係なく、誰でも一定水準の生産性が達成可能です。担当者依存によって作業が煩雑化してしまうサイクルからの脱却も可能になります。
次章では上記でご紹介したようなデジタルピッキングシステムを実現した「LOGITO」をご紹介します。
デジタルピッキングシステムで担当者依存を解消
第一実業の物流自動化ソリューションサービス「LOGITO」では、前述のようなデジタルピッキングを実現するソリューション「プロジェクションピッキングシステム(PPS)」を提供しています。
プロジェクションピッキングシステムは、組立の現場でプロジェクターとセンサーを使い、自動でピッキング指示や作業指示を行えるシステムです。ポカヨケ機能により精度の高い作業が行え、プロジェクターで作業指示も投影できます。
また、誰でもすぐに作業ができるため、教育時間の大幅な削減や、紙の指示書が不要となるためペーパーレス化にも繋がります。
担当者依存の解消と現場の負荷低減・省人化、それに伴うコストダウンを実現するデジタルピッキングシステムにご関心の方は、こちらのページから資料をご覧ください。
LOGITO 運営事務局
LOGITO 運営事務局では、全世界17カ国34拠点のグローバルネットワークにて培ったノウハウを生かし、物流自動化に関するトレンド・業界動向からノウハウ、成功事例まで、物流自動化の実践に役立つ様々な情報をお届けします。