COLUMN 物流自動化に関するお役立ちコラム

製造業の現場では、思わぬトラブルが生産性の低下を招くことがあります。中にはラインが止まり、納期やコストに大きな影響が出ることも…。そんな課題を解決するのが「見える化」です。
本記事では、「見える化」が生産ライン停止に強い理由から、導入を成功させるためのポイントまで詳しく解説していきます。現場運用における「見える化」のヒントを知りたい方は、是非最後までお読みください。
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製造現場では、機械の不調や部品の不具合といった、予期せぬトラブルが突然発生することがあります。中でも、生産ラインが突如停止してしまうようなトラブルは、現場にとって非常に深刻な問題です。納期に間に合わなくなったり、追加の人件費や修理費がかかったりと、企業全体のコストに大きな影響を及ぼすことも少なくありません。
さらに厄介なのが、トラブルの原因がすぐに特定できないケースが多いことです。トラブルの原因が目に見えるものだけではないため、現場はその都度の対応に追われてしまい、根本的な対策が後回しになってしまうことも少なくありません。そういった対策を続けることは、何度も同じようなトラブルが発生してしまうことにつながります。結果として、現場の負担は増え続け、働く人たちのモチベーション低下や品質のばらつきといった新たな問題を引き起こす可能性もあるのです。
競争力を求められる製造現場は現在、特にこうした悪循環を断ち切るための対策の重要性が増しています。
こうした課題に対して注目されているのが「見える化」の取り組みです。
「見える化」とは、生産現場の状況をリアルタイムで可視化し、問題点を把握・改善していくための手法のこと。IoTやセンサー技術を活用することで、機械の稼働状況や生産工程のデータを収集・分析し、現場の状態を「見える」形にすることで、次のようなことが可能になります。
上記メリットについて、詳しくは「工場の「見える化」の課題と解決策を徹底解説」で取り上げていますので、参考にしてみてください。今回はこれらのメリットのうち、今回は特に「トラブル対応の迅速化」について深掘りしていきます。
「見える化」をすれば、トラブル対応が迅速化するため、突然の生産ライン停止にも強い体制を築くことができます。その理由について、詳しく解説していきます。
「見える化」の大きな強みは、現場の状況をリアルタイムで把握できることです。
従来は、異常が発生してから気づき、対応に追われるという流れが一般的でした。しかし、センサーやIoT機器を使って機械の稼働状況や温度、振動などのデータを常に監視していれば、小さな異常の兆候もすぐにキャッチできます。例えば、「いつもと違う動き」をシステムが検知してアラートを出すことで、作業員がすぐに対応できるようになります。
これにより、トラブルが大きくなる前に対策でき、生産ラインの停止を防ぐことが可能になります。こうした即時性は、忙しい製造現場にとって非常に大きな安心材料になります。
リアルタイムで収集されたデータは、単にモニターに表示されるだけではありません。「見える化」によって蓄積されたデータをもとに、傾向や異常の兆しを人の目で確認しやすくすることで、トラブルの“予兆”を把握する手助けになります。
たとえば、「特定の装置で停止前に毎回温度上昇が見られる」といった傾向があれば、それに気づいた担当者が事前にメンテナンスを行うなど、先回りした対応が可能になります。
これは、勘や経験だけに頼るのではなく、数値的な裏付けをもとに現場の判断を支援する、データ活用型の管理体制を実現するということです。
結果として、トラブルの未然防止につながり、安定稼働や生産性の向上が期待できます。
見える化されたデータは、現場だけでなく経営層にとっても非常に有用です。
例えば、生産状況や設備の稼働率、異常発生の傾向などがグラフや数値で「見える」ようになることで、現場の状況を経営陣も正確に理解できるようになります。これにより、「なぜ今この投資が必要なのか」「どのラインに人手や資源を集中させるべきか」といった判断がしやすくなるのです。
また、現場と経営層の間で情報の共有がスムーズに進むことで、現場の声が届きやすくなり、働く人たちのモチベーション向上にもつなげられるでしょう。「見える化」は、単なる技術的な取り組みではなく、組織全体の連携を深めるきっかけになると考えられます。
トラブルを未然に防ぎ、万が一の時にも迅速に対応できる「見える化」は、製造業の現場にこそ必要なシステムと言えるでしょう。
しかし、「見える化」を実際に導入するにあたってはいくつかの壁があります。
ここで、導入を成功させるためのポイントを3つに絞ってお伝えしていきます。
「見える化」導入では、IoTセンサーや専用ソフトウェアの購入・設置に一定の初期費用がかかります。例えば、生産ライン全体を監視するシステムの場合、センサーネットワーク構築やクラウド基盤整備に数百万円規模の投資が必要になるケースもあります。
ただし、単に「高額だから」と諦めるのではなく、段階的な導入が鍵です。まずは特定工程や重点ラインから始め、効果を検証しながら範囲を拡大する方法をとると、投資を回収しながら無理のない導入をすることができるでしょう。予算計画では「3年以内にROI(投資回収)を達成」といった具体的な目標を設定するようにしてください。
工場の既存システム(MESやERP)と「見える化」ツールの連携は、意外な盲点です。特に古いシステムではAPI連携ができず、データの手動入力が必要になる場合もあります。
これを防ぐには、事前のシステム診断が重要です。ベンダーと連携し、既存システムの仕様を詳細に分析した上で、中間ソフトウェアの導入やカスタム開発が必要か判断しましょう。ベンダーを選ぶ際は、API連携実績が豊富で多様なシステムを総合的に取り扱っている会社がおすすめです。将来のシステム拡張に対応できる信頼性のある会社を選ぶようにしましょう。
「見える化」ツールは、現場の協力なしでは機能しません。特に、熟練作業者からは「監視されるのでは?」といった抵抗感が生じる可能性もあります。
こういった問題を解消するには、ツール導入前のワークショップが効果的です。例えば、「このシステムで夜間の異常対応が減ります」と具体的なメリットを説明し、簡単な操作訓練を実施しましょう。また、運用開始後は「見える化データを改善活動に活用するチーム」を編成し、現場主導の改善事例を表彰するなど、継続的なモチベーション維持が重要です。
教育資料は動画マニュアルやQRコード付きチェックリストなど、現場が使いやすい形式を選ぶようにしてください。AIコンシェルジュのように、質問をすればすぐに答えてくれるシステムを導入するのも効率的でおすすめです。
「見える化」は製造業業界でいまや必須と言われているDX化の第一歩。今回はこの「見える化」が、生産停止などの突然のトラブルを防ぐ対策に効果的な理由や導入時に気をつけるポイントについて解説しました。
「見える化」は導入するだけで終わりではなく、現場でいかに活用されるかが効果の分かれ目となります。現場スタッフが実際の業務の中で使いやすいと感じられる設計や運用体制が整っていなければ、せっかくの仕組みも十分な効果を発揮できません。現場の声を取り入れながら、無理のない形で運用に落とし込むようにしましょう。
「見える化」で実際にどのようなことが可能になるのかは、下記の資料でもご説明させていただいております。LOGITOの「見える化システム」には、現場の声を取り入れながら製造現場にフィットするソリューションを提供する仕組みがあります。ぜひこの機会にご確認・ご検討いただければ幸いです。
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