COLUMN 物流自動化に関するお役立ちコラム
~自動化が進む今、物流の次のボトルネックを解消するには~
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昨今、物流や製造の現場では、AMR(自動走行搬送ロボット)やAGV(無人搬送車)による屋内の自動化が当たり前になりつつあります。倉庫内のピッキング、パレット搬送、ラック収納までがロボットに任され、人がほとんど介在しない現場も登場しています。
一方で、次なる自動化のステージとして多くの企業が直面しているのが、「屋外搬送」の課題です。屋内の搬送はAMRやAGVの導入により大きく前進しましたが、建屋間や屋外ヤードをまたぐ移動については、天候・地形・通信環境などの影響が大きく、未だ人手に頼らざるを得ないケースが少なくありません。
実際に、経済産業省の2024年レポートでは、配送ロボットの社会実装における課題として「公道・屋外での走行性能や安全性への懸念」が指摘されており【※出典①】、また富士経済の調査では、「屋外走行に対応できるロボティクスの需要」が年々高まっていることが報告されています【※出典②】。
つまり、自動化の取り組みが屋外で“立ち止まっている”ことが、いま多くの現場で共通するリアルな課題となっているのです。
出典元:出典①:経済産業省「配送ロボットの社会実装に向けた取組状況」(2024年2月)
出典②:富士経済『2024年 ロボティクスソリューション市場の現状と将来展望』(2024年5月)
一般に、屋内専用として設計された搬送ロボットは、「防水性」や「耐風・耐寒性能」といった屋外特有の環境条件に対する備えが限定的であるため、 濡れた地面や雪の積もった坂道、強風の吹くヤードなどでは、安定した稼働が難しいとされます。
一部の現場では、 「既存の屋内用機体を仮設的に屋外で使用する」という対応が取られているケースもあるようです。
その結果として、 雨天時にはブルーシートでロボットを覆う、 あるいは搬送の一部を人手で代替するなど、 本来の自動化目的とは異なる運用が一時的に発生する場合もあると報告されています。
こうした状況は、 屋外対応機の普及前段階において、現場の制約下で実施されている “やむを得ない暫定的な措置”として捉えられることもあります。
屋外では、壁や建屋による電波干渉、GPSの精度低下、RTK(Real‑Time Kinematic:衛星測位システムによるリアルタイム高精度補正)の切断といった問題が起こりやすく、搬送ルート上で一時的に自己位置を見失い、無人搬送車が停止してしまう事例も確認されています。
屋外では、壁や建屋による電波の干渉、GPSの精度低下、そしてRTK(Real-Time Kinematic)の信号切断といった問題が発生しやすくなります。その結果、搬送ルート上で無人搬送車が一時的に自己位置を見失い、停止してしまうケースも確認されています。
このような課題に対応するため、近年では、RTK-GNSSやLiDAR、IMUといった複数のセンサーを組み合わせる技術が導入され、屋外でも安定した自律走行を実現しつつあります。
しかしながら、トンネルや坂道、建屋間といった屋外特有の構造や地形は、依然としてセンサー性能や通信の安定性に影響を与える要因となっています。そのため、先進技術を導入しても走行の安定性に関するリスクが完全には解消されていないのが現状です。
それでも、トンネル・坂道・建屋間といった屋外特有の構造的・地形的な要因が、センサーの性能や通信環境に影響を与え、走行の安定性を損なうリスクがあることは、先進製品においても共通の技術的課題として残されています。
工場間の受け渡しや、搬送機と倉庫側のタイミングが“人の判断に頼っている”ため、ロボット導入後も現場に人が張り付く必要があり、受け渡し作業が属人化して自動化が完結しないといった課題が多く報告されています。
実際、2024年のレビュー研究では、「人とAGVとの協働環境では、安全性や効率向上の一方で、『人を介在させる必要』が重課題として浮上しており、人手依存が根強い」との分析もあります【※出典③】。
出典元:出典③: Agnieszka A. Tubis ほか『Interaction between a Human and an AGV System in a Shared Workspace—A Literature Review Identifying Research Areas』(2024)
これらの課題を乗り越えるために、国内外の先進現場では次のようなアプローチが導入が進んでいます。
全天候型・屋外対応の搬送プラットフォーム
屋外自動化の技術は、すでに国内の現場でも広がりを見せており、運用面での成果も出始めています。
※本事例の一部には、実際の導入現場から得られたヒアリングや協力ベンダーの技術資料に基づく内容が含まれています。
導入を検討するにあたっては、 「自社の環境に本当に適合するのか」「どの機種・方式を選べばよいのか」といった点で、判断に迷われるケースも少なくありません。
たとえば以下のような現場条件では、特に慎重な検討が求められます。
こうした課題は、製品スペックだけでは判断が難しい場合もあるため、物理的・運用的な制約を踏まえた検証が必要です。そこで重要なのが、“自社の条件に即して比較・検証する”ための材料を持つことです。
自動化の取り組みは着実に進展しています。しかしながら、「屋外搬送」は依然として多くの現場にとって乗り越えるべき最後の課題のひとつです。
貴社におかれましても同様の課題が顕在化しているようであれば 、本資料が次のステップを検討するための一助となれば幸いです。
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