AMR(自動走行搬送ロボット)とは、物流現場における搬送作業を自動で行うロボットです。 AMRは次世代AGVとして注目されており、市場規模が年々拡大しています。 AMRの世界市場規模の予測と動向について見ていきます。 詳しくは以下の記事をご覧ください。
AMR は次世代AGV として注目されており、市場規模が年々拡大しています。AMR の世界市場規模の予測と動向について見ていきます。
AMRの世界市場規模は2026年に約9,100億に! 株式会社矢野経済研究所(代表取締役社長:水越 孝)は、AGV/AMR世界市場を調査し、主要国の関連政策や導入支援制度、参入企業動向、将来展望を明らかにしました。
ここ数年で、世界各国でEC市場が拡大し、物量が増加し、企業は景気回復をしたくても、現状は「人材不足」の問題があります。この人材不足の解消として自動化やロボット導入の意識が高まり、人件費削減や作業効率化を目指してAMRやAGVを導入する企業が増え、ますますニーズが高まってきていると考えられます。
下記グラフでも、2024年から2026年までの2間の141%増加の予測となっています。
この成長は2030年ごろまで続くと予想されています。
※出典:㈱矢野経済研究所「AGV/AMR世界市場に関する調査を実施(2023年) 」
AMRの最新動向 ではなぜAGVに代わって、AMRがもとめられているのでしょうか。
1. 自律性の向上: AMRは、自律的に移動し、タスクを実行するロボットです。最新の動向では、センサー技術やAIの進歩により、AMRの自律性が向上しています。自己位置推定や障害物回避などの安全機能が進化し、よりスムーズで効率的な動作が可能になってきています。その技術はAGFにも取り入れられています。
2. 多様な用途での活用: AMRは、様々な業界で活用されています。
最新の動向では、物流・倉庫業界や製造業などにおいて、AMRの導入が著しく進んでい ます。用途としては、商品のピッキングや搬送、在庫管理など、ヒューマンエラーが起 こりやすい箇所、または時間がかかる箇所の作業効率をあげる目的で利用されていることが多いです。
3. コラボレーションの進化: AMRは、人間との協調作業も可能です。 最新の動向では、人間とAMRが同じ作業スペースで、安全に協同作業するための技術の開発が進んでいます。
例えば、センサーやビジョンシステム*を活用して、人物を認識して自動的に避けるなどの機能が実現されています。
※ビジョンシステムは、カメラやセンサーを使用して視覚情報を取得し、解析・処理するシステムです。
4. IoTとの統合: AMRは、IoT(Internet of Things)との連携も進んでいます。最新の動向では、AMRがセンサーデータや他のシステムとリアルタイムで連携し、より効果的な運用や管理が可能になっています。また、AMRとIoTの統合により、遠隔地からAMRを監視・制御することが可能になります。これにより、AMRの効率的な運用とリモート管理が実現されます。
AMRとIoTの統合により、効率的な自動化、遠隔監視・制御、システムの最適化が実現されます。これにより、生産性の向上やコスト削減、作業効率の改善など、様々な利点がもたらされます。
AMRの活用方法 では、AMRがどのようなことができるのか、弊社取り扱いの「Standard Robots」のAMR事例から見てみます。 (あくまでこのメーカーの事例となります。一部AGFを含む) ① フレキシブルな動き AMRは独立したロボットです。高度なSLAM技術とセンサーを使って自律走行を可能にします。 ② 材料などの移動 AMRが下から棚を持ち上げ、材料などの移動をすることができます。 ③ パレットの取り扱い AMRがパレットを持ち上げ、移動することができます。 ④ 自動積み下ろし WMS(倉庫管理)システム、FMS(工場管理)システムとの連携で自動物流を可能にします。 ⑤ ローラードッキング オプションで上部にローラーを接続すると、ベルトコンベアなどの生産ラインとの連携ができます。 ⑥ 製品管理(AGF) FMSとの連携で、製品の管理ができます。 ⑦ 原材料の管理(AGF) ⑥同様、FMSとの連携で、原材料などの管理ができます。 ⑧ 完成品の入庫、保管、配達(AGF) パレット搬送によって、製品の自動搬送が可能です。 24時間×365日働きます。遠隔監視も可能です。 ⑨ 移動ロボット AMRの上にアームロボットを搭載することで、人間が行っている作業を、ロボットに任せることができます。 ⑩ 精密機器の引き渡し 特定の精密機器を製造ラインに引き渡すことができます。 ⑪ 加工場での応用 例えば、AMRとCNC(数値制御機械)との協調動作により、製造現場の自動化を高め、 製造コストを抑えることが可能となります。 これはStandard Robots社の事例ですが、AMRはロボットやシステムと連携することができるため、今後も多くの可能性が期待できます。 御社の課題を解決するヒントとなれば幸いです。 それでは具体的にAMRの活用方法見てみましょう。
製造中の製品の搬送 製造中の資材の供給においては、細かい部品を多くける必要があるため、人が何か所もカートを押して材料を集めて回る必要がありますが、その作業をAMRで代替することができます。
工程間搬送: 製造: ライン上の各工程間で、完成品や半製品を自動で搬送できます。従来のAGVやベルトコンベアと比べて、柔軟なレイアウト変更に対応でき、生産性の向上に貢献します。
検査工程への搬送: 製品を検査工程へ自動で搬送することで、検査員の作業効率を向上させます。また、検査結果に基づいて、AMRの搬送ルートを自動的に切り替えることも可能です。 モノを運ぶという単純作業はAMRに任せて、作業者に組み立てに集中させることができる点がポイントとなります。
ワークセル生産方式での材料補充 ワークセル生産方式(Workcell Production System)は、製造業において用いられる生産方式の一つです。ワークセル生産方式では、複数の作業ステーションや機械が統合されたワークセルを中心として、製品の生産を効率的かつ柔軟に行います。
部品・部材の供給: 各ワークセルに必要な部品・部材を、AMRが自動で供給します。必要な部品を必要なタイミングで供給することで、生産の停滞を防ぎ、生産性を向上させることができます。
空容器の回収: 使用済みの空容器を、AMRが自動で回収します。作業員が空容器を回収する手間を省き、生産に集中できる環境を作ることができます。
モノを運ぶという単純作業はAMRに任せて、作業者が高いパフォーマンスを維持できるよう、空容器集めを代替する点がポイントとなります。
組み立てラインへの資材配送 組み立てラインへの資材の供給においては、キットベースの大量の部品を届ける必要があるため、人が重いカートを押して届けて回る作業をAMRで代替することができます。
部品・部材の配送: 組み立てに必要な部品・部材を、AMRがライン側に自動で搬送します。部品切れによる生産停止を防ぎ、安定操業を実現します。
工具・治具の配送: 組み立てに必要な工具・治具を、AMRがライン側に自動で搬送します。作業員が工具・治具を探す手間を省き、作業効率を向上させます。
モノを運ぶという単純作業はAMRに任せて、ライン作業者にモノを補充し続ける点がポイントとなります。
ピッキング作業 ピッキング作業とは、倉庫でのピッキング作業時、作業者が棚からピッキングしたものを荷揃えのため梱包者の元に集めることです。
注文商品ピッキング: オンラインショップからの注文商品を、AMRが自動でピッキングする。従来のピッキング作業と比べて、精度と速度を向上させることができます。
在庫補充: 店舗や倉庫の棚から商品を自動でピックアップし、必要な場所へ補充します。これにより在庫切れを防ぎ、顧客満足度を向上させることができます。ピッキング作業者は荷揃え場まで歩かずに済むため、より少ない人数でのピッキング作業が可能です。 また、ピッキング作業者のタイミングでAMRを呼び出す協同作業ができる点がポイントとなります。
パレタイザーからラッピングマシンへのパレット搬送 パレタイザー(Palletizer)と呼ばれる機械からパレット上に積まれた製品や荷物を取り出し、それをラッピングマシンに搬送するプロセスをAMRで賄います。
パレット搬送: パレタイザーで積み上げられたパレットを、AMRが自動でラッピングマシンへ搬送します。搬送作業の効率化と、人によるハンドリングでよくある事故による労働災害の防止に貢献します。
空パレット回収: ラッピングされたパレットを搬送後、空になったパレットをAMRが自動で回収します。AMRがスムーズに動けるためでもありますが、作業場は整理整頓することで、安全な作業環境作りにつながってきます。
このように、AMRを導入することで、マシンとマシンの間のプロセスを自動化し、無人処理を可能にする点がポイントとなります。
完成した製品の搬送 AMRによる製品の搬送は、生産ラインや倉庫などでの物流作業を効率化し、人的リソースの節約や生産性の向上に貢献します。また、AMRは柔軟性があり、搬送ルートやタスクの変更にも対応することができます。
倉庫内配送: 倉庫内で完成した製品を、AMRが自動で指定先まで搬送します。搬送作業の効率化と、人件費の削減に貢献します。
出荷場への搬送: 完成した製品を、AMRが出荷場まで自動で搬送し、出荷作業の迅速化と、ミス削減に貢献します。
上記以外にも、AMRは様々なシーンで活用することができます。 オプションを追加してアームなどを取り付けると、さらに作業範囲は広がります。 AMRの導入を検討する際には、自社の課題やニーズに合わせて、最適な活用方法を検討することが重要となります。
以下記事も併せてご覧ください。
AMRの導入事例 弊社のお役立ち資料からの事例
A社にて、工場向けにAMRを探していたところ、弊社のサイトよりダウンロードされたのが昨年秋でした。
A社は「AMRはどこも高額。必ず複数台購入するとなると、かなりな予算となるため、内製でAMRを作成できるのではないか」と検討されていたそうです。
最近、そのような話もお聞きすることが多くなりました。確かに少し大きめな工場では10台以上のAMRを導入することになりますので、金額は重要です。
しかし、様々なAMRの種類のパターンや自動倉庫との連携、導入までの対応、サポート体制、最終的に価格などから、内製よりも弊社取り扱いの「iRAYPLE」の導入が決まりました。
今回導入した、iRAYPLEの「AMR」は自動倉庫との連携、「爪付きのパレット検出できるAMR」は可搬200kgの小型フォークリフトのような役割としてパレット搬送をします。
AMR導入の大きな決め手の「価格」はもちろんですが、自動倉庫やベルトコンベアなどの既設設備とのシステム連携にどの程度カスタマイズできるのか、オプションがあった場合はどのくらいカスタマイズができるのか、付属品などがどのくらい費用がかかるのか、 (見落としがちなところです)が重要となり、みなさま、苦労されている話を伺います。しかし、第一実業では、様々なAMRの取り扱いの経験から、最適な機種を選定するお手伝いができます。
※こちらのページの中ほどにiRAYPLEAMRがあります。
AMRを活用して作業を効率化しよう AMRを活用することで作業を効率化できることがお分かりいただけましたでしょうか。
LOGITOではメーカー数社のAMRをご提供できます。
AMRの詳細は以下をご覧ください。
LOGITO 運営事務局
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