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パレタイズロボットとは?仕組みやアームの選定について解説



工場や物流現場の入出荷業務は作業者への負担が大きい重労働作業になり、パレタイズロボットによる荷積み・荷下ろしの作業負担の軽減が注目されています。本コラムは、荷積み・荷下ろしの自動化として期待が集まっているパレタイズロボットの仕組みや選定時の注意点について解説します。



目次


パレタイズロボットとは

パレタイズロボットとは、搬入された商品の荷下ろし作業やピッキングされた商品を決められた配置でパレット上に積み上げるロボットです。別の呼び方として、パレタイザーやパレタイジングロボットとも呼ばれる場合があります。従来、人手不足の問題や事故防止などの観点から、パレタイズ・デパレタイズ作業の自動化が注目を集めております。

高性能なロボットアームが、重量物の運搬や積載作業を担当することにより、さまざまな業界で注目を集めています。この技術によって、多品種少量生産が可能となり、食品の鮮度が向上し、出荷時間が短縮されるなど、多くの利点がもたらされています。


パレタイズ・デパレタイズロボットの違いとは?

パレタイズ・デパレタイズロボットの違いとは?

パレタイズロボットとデパレタイズロボットの違いは、作業工程にあります。パレタイズは荷物を積み上げる作業工程になりますが、デパレタイズは搬入された荷物をパレットから降ろす作業工程を指します。また、パレットの荷姿に合わせて入荷された商品を自動的に荷降ろしするロボットのことをデパレタイジングロボットと呼ばれております。デパレタイズロボットも、パレタイズロボットと同様の設備で導入は可能ですが、作業工程が違うため設備に求められる要件が違うことだけ注意が必要です。


パレタイズロボットが必要な理由

近年、物流に関わる企業の課題として、流通量の増加による慢性的な労働力不足が挙げられます。下記のグラフは国土交通省が発表した、2017年から2022年までの宅配便取扱実績個数の推移です。このグラフが指名している通り、宅配便の取扱数量は、6年間の間に約20%も物量が増加しています。




出典:宅配便・メール便取扱実績(国土交通省)をもとに作成

そのため、各企業では物量の増加に対応するため、ロボットなど設備の導入を通して自動化を進めています。また、従業員への思いやりやES(Employee Satisfaction:従業員の満足度)工場による人員確保を目指して労働環境の改善にも取り組んでいます。

物流自動化支援マニュアル


パレタイズロボットの仕組み

パレタイジングロボットは、製品の梱包箱を確実に掴む把持機構とアームを備えており、箱の位置やパレットの配置を一貫して保つことが可能です。ロボットはあらかじめプログラムされた動作(ティーチング)を繰り返し、正確な位置に箱を積み上げることができます。特に、密着積載が可能な把持機構は隣接する箱の効率的な配置をサポートします。作業員の安全性を確保するためには、可動範囲内への侵入を防ぐ柵やインターロック付き扉などの装置を併用し、ロボットと作業員の安全を確保する取り組みも行われています。

  

パレタイズロボットで重要なアームの選定

パレタイズロボットを導入する際、重要なポイントはロボットハンドの選定です。搬送するワークや工程によって適切なハンドの選択が求められます。誤った選択は非効率な作業や予期せぬトラブルの原因になりかねません。アームの選定時はワーク以外に、積載物の質量や性質、処理速度など、多岐にわたる要件を総合的に考慮する必要があります。以下では、ハンドに求められる条件やハンドの種類について紹介いたします。

パレタイズロボットのハンドに求められる要件

絶対に求められる要件として、「対象物を傷つけない・壊さない」ことです。それと同様に、対象物を落とさないことも重要です。これらの問題が生じれば、物流全体がストップしたり、不良品をお客様へ納品してしまうリスクがあったりなど、大きな損害をもたらす可能性があります。このようなリスクを回避するためには、ハンドの設計には搬送物に適したグリップ力、摩擦力、せん断力、面圧などの要素が不可欠です。


パレタイズロボットのハンドの種類

パレタイズロボットのハンドの種類は大きく分けて把持ハンド・吸着バンドの2種類に分かれます。

パレタイズロボットのハンドの種類


把持ハンド

フィンガー(指部分)で対象物をしっかりと把持するタイプのハンドです。対象物の大きさや硬さに応じて、フィンガーの本数やタイプを調整できます。そのため、形状や素材に関係なく、多様な対象物を確実に掴むことができます。さらに、把持ハンドは圧力をかけることで強力な保持力を発揮し、溶接や切削などの作業時に対象物をしっかりと固定する際にも効果的です。

吸着ハンド

吸着ハンドは真空パッドや磁力パッドを使用して対象物を吸着するタイプのハンドです。主な特徴は、電気のON/OFFだけで、対象物を固定または解放できる操作性です。そのため、スピーディな処理が要求される環境で利用されます。
ただし、真空パッドでの吸着の際には、多孔質の対象物からの空気漏れに注意が必要です。また、磁力パッドは非鉄金属、例えばアルミニウムや木材、加工品などには使用できません。また、真空パッドタイプはフィルターの目詰まり、磁気パッドは経年劣化などにより定期的な交換が必要となる点に留意が必要です。
上記のように、パレタイズロボットのハンドの選定作業は重要かつ難しいため、専門家から過去の事例をもとにアドバイスをもらうことをオススメします。


パレタイズロボットを導入するメリット

物流に関わる企業の取組の1つとして、上述したようにロボットによる作業の自動化が挙げられます。デパレタイズ工程においては、これまで人手で行われていた、搬送、外装箱からの荷物の取り出し、仕分け用小型コンテナへの投入、さらには空になった外装箱の処理までもロボットで行うというものです。ロボットによる自動化で人手による作業の削減、重量物を人が運ぶというリスクからの解放を実現することができます。その上、ロボットによる作業では、長時間の稼働においても作業品質は一定基準を保つことができ、作業品質・作業効率の向上にもつながります。


パレタイズロボットの導入事例

あるお客様の工場では、100社以上のサプライヤーと取引があり、400種類以上の部品が通い箱に入れられて納品されています。部品は生産ラインに払い出され、空になった通い箱はサプライヤーに返送されており、通い箱の仕分け作業に多くの労力を必要とし、毎日10人が作業し、ピーク時には1日に3万箱以上の空箱を処理しています。通い箱の入庫順が不定期なため、保管スペースも必要です。

解決策として、通い箱の流通データを分析し、シャトル式自動倉庫の導入を提案しました。AGV、パレタイズロボット、画像処理装置も導入し、作業人員を10人から3人に減少させ、一次仕分け工程を削除し、作業面積を20%削減しました。ここの自動化により、省人化とスペース効率化が実現されました。



【事例】 通い箱自動仕分け・パレタイズによる省人化についてはこちら


LOGITOはお客様に最適なパレタイズロボットのメーカーをご提案します

LOGITOは、第一実業が提供する物流の自動化を図るソリューションサービスです。これまで日本の製造業工場に幅広い支援をしており、自動倉庫やAGVをはじめ、本記事でご紹介したパレタイズロボット・デパレタイズロボットの導入など、お客様の物流の自動化をトータルサポートします。もし、パレタイズ・デパレタイズも含め、物流に関するお悩みがございましたら、ぜひ以下お問い合わせよりお気軽にご連絡ください。

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